語源学習について
最近テレビで話題になっている「英単語の語源図鑑」という本を買って読んでみました。
結果、こういう英単語の覚え方もあるんだ!と目からウロコの気分になりました。
今まで英語を学習してきて、こんな参考書はなかったからです。
きっかけはたまたま本屋に行って、良さそうな参考書がないかと眺めていたときです。
本屋でもAmazonでもベストセラーになっていたので、前からこの本の存在は知っていましたが手に取ったことはありませんでした。
「2019年上半期、語学書1位 テレビで大反響!」という内容が書かれており、本書の驚くべき効果として
・単語の「正確な意味」がわかる!
・記憶に強く刻まれる!
などが書かれていたので、どんな感じなのかなと気になってちょっと読んでみようと買ってみました。
結果は先に書いたとおりですが、この本の考え方は英単語の覚え方の概念を変えてくれます。
今までの無機質な単語の暗記とは考え方が違うからです。
英単語を3つの単語に分けること
簡単にこの本での単語の覚え方を紹介します。
まず、英単語は「接頭辞」「語根」「接尾辞」の3つのパーツから成り立っています。
それぞれを組み合わせて一つの英単語になるため、これら3つを分解して一つ一つ意味を理解しながら覚えていこうという内容です。
文章だけではわかりにくいかと思うので、簡単な例を以下に書きます。
(例1)
これは「違う、異なる」という意味で、中学校の英語でも出てくる頻出単語です。
英語に触れている人であれば知っていて当たり前と思われますが、この単語の語源まで理解している人は少ないはずです。
この本のルールにのっとって考えると、「接頭辞」はdi(離れてという意味)、「語根」はfer(運ぶという意味)、「接尾辞」はent(形容詞になることを示す)と分けられます。
di + fer + ent = differentとなり、離れたところに運ぶことから「違う、異なる」という意味になります。
いかがでしょうか。
何気なく覚えている単語にも意味があって成り立っていることがわかります。
私はこれを読んだときに「わかりやすい!」と衝撃が走りました。
と同時に、今までなんでこういう覚え方に気づかなかったのだろうとも思いました。
もう一つ例を挙げます。
(例2)
「接頭辞」はex(外にという意味)、「語根」はtend(伸びるという意味)、「接尾辞」はion(名詞になることを示す)となります。
ex + tend + ion = extensionとなり、外に伸びるということから「拡張」という意味になります。
「なるほど」と納得できますよね。
接頭辞を理解すればパターンがわかる
英単語の語彙を増やしていくためには、単語の中核である「語根」を増やしていく必要がありますが、その前にまずは接頭辞を押さえておくと良いです。
接頭辞を理解しておくことで、その単語がおおよそどんな意味になるのかをパターン化できるからです。
接頭辞には代表的なものとして以下のようなものがあります。
わかりやすい例で言うと、subwayという単語でしょうか。
「地下鉄」とい意味で、よく見かける単語です。
subは「下に」という意味で、wayは「道」という意味になります。
そのため、sub + way = subwayで下にある道から「地下鉄」という意味になります。
これらの接頭辞をマスターしておけば、ほぼほぼ単語をパターンかできます。
下に具体例をいくつか書きます。
(例1)
この頭に付く接頭辞によって単語の意味が変わってきます。
prospectであれば、pro(前を)という意味の接頭辞 + spect(見る)から、将来を見る→「見込み」という意味になる。
inspectであれば、in(中を)という意味の接頭辞 + spect(見る)から、中を見る→「検査する」という意味になる。
respectであれば、re(後ろを)という意味の接頭辞 + spect(見る)から、振り返って見る→「尊敬する」という意味になる。
suspectであれば、sus(下)という意味の接頭辞 + spect(見る)から、下から見る→「疑う」という意味になる。
expectであれば、ex(外を)という意味の接頭辞 + spect(見る)から、外を見る→「予期する」という意味になる。
このように、接頭辞さえ押さえておけばspectという一つの語根を覚えることによって、掛け算で単語力を上げていくことができます。
(例2)
この頭に付く接頭辞によって単語の意味が変わってきます。
preferであれば、pre(前に)という意味の接頭辞 + fer(運ぶ)から、自分の前に運ぶ→「好きである」という意味になる。
sufferであれば、su(下に)という意味の接頭辞 + fer(運ぶ)から、重いものを下で支える→「苦しむ」という意味になる。
referであれば、re(後ろに)という意味の接頭辞 + fer(運ぶ)から、元へ戻す→「言及する」という意味になる。
differであれば、di(離れて)という意味の接頭辞 + fer(運ぶ)から、別々の所に運ばれた→「異なる」という意味になる。
transferであれば、trans(越えて)という意味の接頭辞 + fer(運ぶ)から、移動する→「移動する」という意味になる。
fer(運ぶ)の1つを覚えるだけで、5つの単語を理解できるようになることがわかりますね。
語根をどんどん増やしていこう
接頭辞が覚えられたら、次は語根を増やしていくだけです。
ただし先に書いたようにここから先は掛け算的に語彙を増やしていく作業になるので、そこまで苦にはならないはずです。
むしろ単語の意味が分かってくると楽しくなります。
今までは似たような単語(affectとeffectなど)を機械的に暗記してきましたが、それでは時間が経ったら忘れてしまい、また覚えなおすということが多々ありました。
(ちなみにaffectは「影響を及ぼす」という意味で、effectは「効果」という意味です。)
ですが、このように接頭辞と語根を分けてそれぞれの意味を理解するようにすることで、忘れたとしても少し考えれば理屈からも答えを導けるようになります。
最初は英単語をいちいち分けるなんて面倒くさいと思うかもしれませんが、こうすることで、わからない単語が出てきたとしても推測で意味が分かるようになります。
TOEICでは語彙問題(名詞・形容詞・副詞の中から適切なものを選択する問題、文脈から適切な語句を選択する問題など)が出ますが、ここでこの本の考え方が生きてきます。
100%語句を覚えるのはやはり無理なので、推測力を高めるというのは得点UPには大きく効果があります。
またこの本ではイメージで理解できるように接頭辞ごとに図解で単語の意味が書かれているので、実際に本を読みながらの方がスムーズに理解することができます。
英単語をただの文字の羅列と思いながら覚えるのでは、やはり暗記の限界にぶつかります。
そうではなくて、単語が持つ意味を理解してイメージをつかむことで、頭の中で立体的な理解ができるようになります。
何より英単語を覚えることが楽しい作業に変わります。
あなたもこの本を通して語源での英単語習得をマスターして、語彙問題を得意分野にしませんか。
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