世界一わかりやすいTOEICテストの授業[Part1-4 リスニング]とは?
今回は、世界一わかりやすいTOEICテストの授業[Part1-4 リスニング]という参考書について書いていきます。
世界一わかりやすいTOEICテストの授業[Part5&6 文法]の記事でも書きましたが、これは関先生が作成されたものです。
皆さんは関先生をご存じでしょうか。
最近はやりのスタディサプリENGLISHで講師をされている有名な先生であり、CMにも出てくるので知ってる人は多いと思います。
TOEIC関連の本シリーズのテキストとしては、Part5,6の文法に特化したものやPart7のリーディング長文対策に特化したものなどがありますが、本書はPart1-4のリスニングに特化したものとなっています。
他の記事でも紹介していますが、関先生が人気の理由として「スコアアップの核心をついている」という点があります。
関先生は小手先のテクニックではなく本質的な理解を重要視されています。
そのため、出版されているテキストはどれも解説がしっかりしていてわかりやすいですし、読んでいて「おっ、なるほど」と思うような面白いものばかりです。
今回はTOEICに対するテキストなので試験対策に特化していますが、関先生の考え方は日常英会話など実用的な英語にも応用が利きます。
なので、今後英語に携わる人はぜひ考え方を盗んでおきたいものです。
スタディサプリENGLISHでは月額3,000円ほどで関先生の講義を受講できますが、本書でもスタディサプリENGLISHの講義と同等の内容が学べます。
1冊1,700円という点を考えると、非常にお得と言えます。
TOEIC初心者向けに作られているので、初心者の人はもちろん上級者の人でも、いろいろな気づきが得られる内容となっています。
TOEICリスニングにいまいち自信を持てないという人には、ぜひ読んでほしい一冊です。
総合レビュー
私が実際に活用してみた結果を以下にまとめますので、参考にしてください。
難易度 | 初級者向け |
本のデザイン | ◎ (★★★★★) |
内容のわかりやすさ | ◎ (★★★★★) |
問題の量 | ○ (★★★☆☆) |
解説の丁寧さ | ◎ (★★★★★) |
価格 | 1,700円(税別) |
ページ数 | 285ページ |
◆私が使用してみた感想・レビュー
・冒頭で「聞き取れる耳」をつくるためのポイントが書かれている点が目からウロコでした。
・デザインやレイアウトが非常に見やすく解説も丁寧で、全体通して読みやすい構成になっています。
・各Partごとにそれなりに演習問題もついているので、実践形式で学べます。演習が足りない場合は問題集で補強するとよいでしょう。
・聞くためにはまず読めるようにする、同じものを何度も聞き取り練習する、といった復習を重点にされている点が共感を持ててタメになりました。
・何よりも、他の参考書には書かれていない関先生オリジナルのアドバイスが書かれている点だけでも買う価値アリと言えます。
本書に含まれている内容
では具体的にどんな内容が書かれているのかについて、書いていきます。
といっても詳細は本書を買った方がわかりやすいと思いますので、どんな構成で書かれているかなどを簡単に触れていきます。
本書の構成は以下となっています。
・厳選 TOEIC重要単語
・Part1対策 攻略法、例題、演習
・Part2対策 攻略法、例題、演習
・Part3対策 攻略法、例題、演習
・Part4対策 攻略法、例題、演習
まず[弱系で「本当の音」を聞き取れる耳をつくろう!]と[厳選 TOEIC重要単語]のコーナーで、英文を聞けるようにする&読めるようにするという点を学びます。
その後、各Partごとに対策を学んでいきます。
各Partごとに対策では、以下のような流れになっています。
それでは、一つ一つどんな内容なのかを見ていきましょう。
弱系で「本当の音」を聞き取れる耳をつくろう!
弱系とは何か、それは「普段の発音」です。
例えば of という単語を考えてみます。
学校では読み方は「オブ」と教わりますよね。
でも実際の会話では「オブ」と丁寧に発音されず「ァヴ」「ァ」「ォ」といった感じで小さく発音されます。
これが弱系です。
他にも to という単語であれば「トゥー」ではなく「タ」という感じで発音されます。
短くて簡単な単語ほどこういう傾向があり、これを知らないと「簡単な単語のはずなのに全く聞き取れない…」と思ってしまうかもしれません。
でもそれは聞き取れないのではなく、最初から発音されていないわけです。
ネイティブの会話はこの前提で話されることが多いので、この弱系の発音を知らないと聞き取りが難しく感じてしまいがちですが、ポイントを押さえれば難しくはありません。
本書では、この弱系の聞き取りを攻略することでリスニング力を上げていこうという観点で丁寧に解説されています。
ここは他の参考書とは違う部分なので、ぜひしっかり学習して身につけておきましょう。
厳選 TOEIC重要単語
本格的にTOEIC対策に入る前に、重要単語をグループごとにチェックができます。
ここで学ぶ単語はリスニングだけでなくリーディングでも活躍します。
以下のグループごとに重要単語がまとめられています。
2. 天気系
3. 道路系
4. イベント系
5. 職種系
6. オフィス系
7. トラブル系
8. 荷物系
9. 駅空港系
10. 位置系
11. まとめ系
読めない単語(知らない単語)は聞いてもわからないので、まずは読めることを目標とします。
基本的なものばかりなので、ここに書かれているものは全て反射的に理解できるようにしたいところです。
またリスニングにおいて、設問文を読むのに時間がかかってしまってついていけないという人も多いと思います。
重要単語を押さえておけば、そんな人でも設問文を読むスピードアップにつなげられます。
ここをできるようにしてから各Partごとの対策に入っていきましょう。
Part1対策 攻略法、例題、演習
Part1は絵を見て解くわけですが、いくつかポイントがあります。
よく出てくる表現としてbeenとbeingがありますが、ここではこの点の聞き取りに着目して書いてあります。
beenは「ビーン」じゃなくて「ベン」、beingは「ビーイング」じゃなくて「ビーィン」という感じです。
このように、発音されない音を知った上で聞くととても聞き取りやすくなります。
他にも「まとめ単語」を知っておくとか「積み重ねる」というのはよく出るので押さえておくなどがあります。
ここでは、Part1で知っておきたいポイントがまとめて書かれています。
例題は以下の5つに分類分けされています。
例題2 進行形を使ったひっかけ
例題3 位置関係の問題を攻略しよう!
例題4 TOEICは「積み重ねる」のが大好き
例題5 「ズラす」パターン
これらの5つのポイントを押さえておけば、ほぼPart1は完璧と言っても過言ではありません。
問題によって聞き取りやすい、聞き取りにくいなどはありますが、これらのどれかのパターンにあてはまるからです。
問題の傾向をしっかりと把握しておきましょう。
練習問題は合計で10問あります。
1問1問しっかりと解説があるので、理解しながら進めていけます。
Part2対策 攻略法、例題、演習
Part2では出だしを聞き取るのが重要ですが、それだけでなくその後のつながりなど含めて、全てを聞くことが重要となります。
また、短い文章なので聞き逃すことも少なくありません。
そのための対策として「弱形」を理解しておくことや文法の知識を身につけておくことがあります。
素直に5W1Hで聞かれるものは解きやすいですが、それだけではなく自然な会話として成り立つものや付加疑問文、否定疑問文なども知っておく必要があります。
「似た音」は不正解というような、簡単にできるテクニックも紹介されています。
このように、対策や攻略法のコツがまとめられています。
例題は以下の7つに分類分けされています。
例題2 「そらし」のパターン!
例題3 「似た音」を使ったひっかけ
例題4 Why対策
例題5 超頻出・疑問詞の問題
例題6 否定疑問文
例題7 付加疑問文
新形式のテストになって、Part2は単純な会話ではなく文脈を理解した上で解答が必要な問題が増えています。
頭の疑問詞だけ聞き取ればできるというわけではありませんが、3択問題である点と、この7つのパターンを頭に入れて消去法で解けば、正解率はかなり上げられます。
練習問題は合計で30問あります。
例題で学んだことを身につけられるように、何度も復習しましょう。
Part3対策 攻略法、例題、演習
Part3は先読みのペースをつくって解くということが重要です。
そのためには充てる時間配分が大切になってきます。
設問文や選択肢をどこまで読むか?や「固有名詞」が出てきたら注意する、記憶を定着させるには「当事者意識」を持って聞くなどのポイントが書かれています。
Part3でつまづく人は多いと思います。
そんな人のための役立つ情報がまとめられているので、関先生の考え方をしっかり押さえておきましょう。
例題は以下の8つに分類分けされています。
例題2 頻出ジャンル「会社同士のやりとり」
例題3 旅行でのツアー申込み
例題4 病院のスケジュール変更
例題5 「お店」でのやりとり
例題6 「勝手な思い込み」を捨てる!
例題7 「3人の会話」に挑戦!
例題8 「図表問題」に挑戦!
Part3は「どんな会話文が流れるか」というパターンを押さえておけば、解くのがだいぶ楽になります。
先読みや予測がしやすくなるからです。
ここに書いた8つのパターンで大きく分類できるので、傾向を押さえておきましょう。
練習問題は合計で39問あります。
しっかりとボリュームある内容になっています。
Part4対策 攻略法、例題、演習
Part4はPart3と似ています。
なので、勉強法はまとめて考えてよいと言えます。
ここで重要になるのは、英文をきっちり「読める」ようにするということです。
そのためには復習のやり方が重要になります。
正しい復習ができていなければ、どれだけやっても力にはなりにくいです。
ポイントとしては同じ文章を完全にわかるように「何度も読んだり聞いたりする」ということです。
このように、ここでは対策だけでなく勉強法などにも言及されています。
例題は以下の7つに分類分けされています。
例題2 ラジオニュース
例題3 ツアーガイド
例題4 「引退パーティー」
例題5 「工場内でのアナウンス」
例題6 「返答」のパターン
例題7 「図表問題」に挑戦!
Part4はPart3とほぼ対策は同じなので、同様に問題のパターンを把握しておきましょう。
登場人物(読み手)は1人だけなので、Part3と比べると混乱はしにくいかもしれません。
ここは人次第とは思いますが。
練習問題は合計で33問あります。
ボリュームはしっかりとあり、解説も充実しています。
おすすめの活用方法
本書は初心者向けに書かれているため、これからTOEICの学習を始めようと考えている人におすすめできる1冊です。
しかし、TOEIC中~上級者の人でもTOEICに対する新しい見方・考え方が広がるため、ぜひ読んでもらいたい1冊と言えます。
それも全て各Partの「定説を斬る!」や「徹底攻略!」の部分に、関先生の考え方やテクニックが凝縮されています。
「丸暗記ではなく本質を理解する」という関先生の考え方はTOEICだけにとどまらず、日常英会話などにも応用できます。
私はスタディサプリもやってみた経験がありますが、本書はそれと比べて遜色のない内容と言えます。
同じ講師の人が書いているので当然と言えば当然ですが。
ただ値段を比べると、月額3000円がかかるわけではないのでお得と言えますね。
ぜひとも本書で英語に対するゆるぎない力を身につけていただきたいです。
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